日々成長

毎日バタバタしていた。
ここ一週間ばかりは一日が本当に飛ぶように過ぎ去ったように思う。
義母の引越しが大きく絡んでいるように思う。
そう、義母がとうとう引っ越したのだ。
夫はその手伝いに右往左往していたし、私も新しい家の掃除の手伝いに行ったりした。
私自身は特に何もしなかったのだが、夫が忙しそうにしているので間接的に疲れてしまった。
義母もいざ引っ越して荷物の多さにうんざりしたようだ。しかも片付けは自分でしないと納得できない様子で、例えば夫がお風呂の用品をお風呂に入れようとしただけで、使い勝手が違うようになるからと拒否されたらしいのだ。
夫もうんざりしてしまい、もう片付けには一切手を出さないと立腹の様子だ。
とりあえずテレビが点くようにアンテナにつないで、要らない大きな金属類を捨てに行ってあとは放置する事に決めたらしい。
まぁ義母が納得するのが一番いいと思うので、放置対策はお互いに良いんではないかと思う。

さて次男がパニックになった。
あまりパニックにはならない次男だけどもなってしまったのだ。
園の帰りに細い川の横を通っているのだけど、川の中に少しの段差がある場所があり、そこは少しの水が流れてもザァッと音がしているのだ。
そこで毎回、少しだけ止まって「今日はいっぱい流れてるね。」とか「葉っぱがいっぱい浮いてるね。」などとみんなで感想をいって、またみようね、と出発するのだ。
だがうっかり止まるのを忘れてしまったのだ。すると次男は「ザァッてところ見たかったのに~」
と大激怒で泣き喚いて、自転車の上で大暴れ。もう暗くなってきていたし、とりあえず帰宅した。
私はといえば、非情な母なのかもしれないが、ここでパニック状態の次男をどうやってなだめるのがベストなのか試してやろうという気になっていた。
「明日見ようね。」なんて言っても聞いていない様子。相変わらず、大暴れ。
「もう知らない、川のところは通り過ぎたんだからもうみれないでしょ。」と怒ってももちろん大暴れ。
「いやだ!」だの「ザアのところが見たい」だの言って泣き喚きながら、私を叩いてくるのだ。
結局、叩かれたら痛いと大げさにアピールしながら、無理やり抱っこして耳元で「このまま泣くのなら、ひとりで向こうの部屋に行ってもらうけど、泣き止んで静かにしたらお母さんが抱っこしていてあげる。どうする?」と本人に決めさせた。
次男は静かにする方を選び、しばらく抱っこしていると落ち着いて話が出来るようになった。
私なんかは、次男が泣いている原因を何とかいい方向に持っていこうと、明日見ようねなんていってしまう。だけど次男の中では川を見る見れないの問題は単なるきっかけにすぎず、現状の心の中で嵐が起こって何かが渦巻いてしまっている、それを何とかして欲しくて暴れて泣いて喚いている。そんな風に見えた。
療育で具体的に話しかけてあげてください。とは言われているものの、何となくしか出来なかった。
でもこの出来事で何かをつかめたような気がした。
次男にとってすぐ目の前のもの、即物的な選択肢。そこが重要なんだろうなぁ。
きっかけや想像なんてしなくていいのだ。彼の目の前、現状が重要なのだ。
これって、自閉症児だけでなく、他の子にも応用できるなぁなどと思ったり。母としての私も日々、成長せねばなぁ。